JAL再生のどこにアメーバ経営は貢献したのか:コンチネンタル航空再生との比較から学べること


JALが再生できた理由はアメーバ・マジック?

2010年1月19日、日本航空は「JAL再生タスクフォース」の調査結果を受けて、企業再生支援機構に再生支援を申請し、即日で支援の決定を受けました。そして、2月1日に稲盛和夫氏がCEOに就任しました。

ところが、早くも翌年の2011年3月28日、日本航空は稲盛CEO同席の記者会見で、東京地方裁判所から同日付けで会社更生手続終結の決定を受けたことを発表しました。さらに、5月18日に当時社長だった大西賢氏が定例記者会見で「2010年度の経営の概況」と題し、単体で1447億円、連結で1884億円の営業利益を稼ぎ出したことを報告しました。その成果の大きさとともにスピードの早さで、世の中を驚かせたのです。

このような画期的な成果をあげた原動力として、アメーバ経営の適用が指摘されています。例えば、日経ビジネスに担当者が語る JALを再生させた「アメーバ経営」 というタイトルの記事が5回にわたり連載されています。

確かにアメーバ経営が大きな効果を上げたことは事実であり、この記事はアメーバ経営の効用を理解するためには参考になります。ただ、コンサルタントとしては、そのレベルの理解だけで済ますわけにはいきません。そうでないと、「アメーバ経営を導入すれば経営が上向く」というアメーバ・マジックの盲信が生まれるからです。

コンサルタントとしては、どのような状況でアメーバ経営を導入すればうまくいくのか、改革の成功のためにはそれ以外に何をすべきなのか、などを心得ておく必要があります。そうでないと、管理会計は使いこなせません。

そのための知見を得るための有力な方法として、ベンチマークがあります。似たような事例と比較することにより、アメーバ経営が効力を発揮したのはどの部分で、それがなぜかを理解できるはずです。

その格好の比較材料が、大逆転! コンチネンタル航空—奇跡の復活 という本(原題は “From Worst to First”)に書かれていますので、JAL再生との比較をしてみましょう。

コンチネンタル航空復活とのベンチマーク

コンチネンタル航空は、テキサスを中心とした事業から始まり順調な成長をしていました。ところが、カーター政権の航空自由化政策のあおりを受け、赤字を出すようになりました。

その結果、1981年に買収され、翌年テキサス・インターナショナル航空と合併させられ、さらに従業員の給与水準引き下げを狙った強引な倒産法(チャプター11)の適用を受けました。

その後、ピープル・エキスプレス、フロンティア航空、ニューヨーク・エアと合併し、アメリカで3番目に規模の大きい航空会社となりましたが、1990年12月に発生した湾岸戦争による燃料費の高騰がコンチネンタル航空の財政事情を直撃し、2度目のチャプター11適用申請となりました。

結果的に、1985年から10年間、一度も利益を計上できず、従業員の給与水準も業界平均から30%低い状態でした。従業員の士気は低下する一方で、社員は仕事が終わると会社のバッジなどをすぐに外していたというほどでした。

経営陣が変わるたびに経営方針も変化し、従業員の会社に対する不信感は大きく、それは日常の運航状況にも反映されていました。定時到着率はアメリカ大手航空会社10社中最下位、手荷物の紛失件数やアメリカ運輸省への苦情の多さは10社中トップであり、「目的地に時間通りに到着したいと思ったら、コンチネンタル航空だけは避けたほうがいい」とさえ言われていたほどでした。

株価も大きく下がっており、もはや3度目の倒産は時間の問題とさえ思われていたのです。

このような状況の中、コンチネンタル航空の再建のため、1994年12月にかつてピードモント航空にいたゴードン・ベスーンがCEOに就任しました。

ベスーンが策定した再建計画は「Go-Forward plan(前進計画)」と称し、以下のような4つの方針を定めていました。

  1. Fly To Win…市場の要求に応えた商品を作る(マーケティング)
  2. Fund The Future…コストをコントロールすることで利益を計上する(財務の立て直し)
  3. Make Reliability a Reality…商品の信頼性を高める(商品の改善)
  4. Working Together…従業員を大切に扱い、安心して仕事が出来る環境を作る(従業員の文化改革)

ベスーンは、これは「経営再建の秘策」などというものではなく、誰もが当然のことと考えることを実行しただけであると述べています。

これらの施策により、コンチネンタル航空の業績は次第に回復してゆくことになり、1995年12月には、10年ぶりに2億2400万ドルの利益を計上しましたが、これは会社創立以来最高額の利益でした。1996年にはアメリカの航空雑誌「Air Transport World」が主催する賞である「Airline of the Year」を受賞し、1997年には6億4千万ドルの利益を計上するまでに回復しました。

JALと非常によく似た、いやそれ以上に酷い状況からの復活であったことがわかります。そのコンチネンタルが「当たり前」の改革をして成功したというのですから、その内容をJALの改革と比較すれば、JALにおけるアメーバ経営の位置付けを理解する手がかりが得られそうです。

コンチネンタル航空改革の源:「前進計画」

マーケティング改革

危機に瀕した企業が最初にやるべきことは、「出血を止める」です。すなわち、儲からないことを止めるのです。

このための施策は、どうしても採算の取れない路線(全体の18%)からの撤退です。

コンチネンタルは、格安航空のサウスウェストに対抗するために、自前の格安航空CALライトを運営したのですが、これが全く儲かっていませんでした。コストを削って料金を下げたのですが、これが不評で、儲からないからさらにコストを削るという、負のスパイラルに陥っていました。

これらからの撤退を決断し、全体の3分の1にあたる近距離路線を廃止したのです。

その逆に、これまでのコスト削減策でビジネス客を失っていたことに気づき、ビジネス客へのサービス向上を行いました。そして、ハブ空港を中心とした長距離路線を強化しました。

そして、コスト削減策で関係が悪化していたビジネス客を誘導してくれる旅行代理店との関係を修復しました。これまでのコスト削減策の誤りを素直に認め、経営陣が謝って回ったのです。

さらに、不採算路線から撤退してみると航空機が多すぎることが明確になったので、その処分も行いました。

ベスーンがいう通り、当たり前のことを徹底したのです。

財務改革

1994年12月にベスーンがCEOに就任して、ようやく全権を持って会社の状態を調べられるようになって判明したことは、このままでは翌年1月に資金が底をつくということでした。

会計システムが杜撰だったので担当副社長が全て手計算で検出したことは、預金の50倍の借金があり、二度破産したためにそれらの金利が非常に高いということでした。毎月発生する支払いが、預金の10倍以上あったのです。

すでに二度破産しているので、取れる対策は債権者に猶予をもらうことしかありません。債権者との会議の怒号の中で、まず最大の債権者であるGEキャピタルが返済期間を3年から7,8年に伸ばすことに合意しました。破産すれば失うものが大きく、それしか選択の余地が無いからです。他の債権者も、仕方なく追随しました。

そうやって時間を稼いだ後、初めてコスト削減策の検討に入りました。とった施策は次のようなものです。

  • どうやっても利益が出せないA300のリース打ち切り。ただし、コンチネンタルに代わる借り手を見つけ、そのエアラインにA300の飛ばし方や整備に仕方を教えることまでやった。こうして初めて裁判を避け円満に解決することができた。さらに違約金の支払いを、リース会社によっては転換社債発行の形で認めてもらった
  • 債権者やリース会社に謝って回り、長期債務の利払い額を前年の10%&以上削減した
  • 着陸装置の整備契約(10年契約)を見直し、過剰在庫を相手に引き取らせた(余談だが、これは購買担当上級副社長の鶴田国昭氏の成果)
  • 燃料コストの変動をヘッジする保険をかけ、計画の変動要因を一つ取り除いた(翌年に燃料代が上がったので、実際にコスト削減になったが、それは副次効果)
  • ボーイングに発注していた数機の手付金を、交渉して半分返してもらった

このようなことを繰り返して、1995年上期決算で黒字に転換したのです。この余裕をもとに、次に財務システムを作り直しました。コンチネンタルが危機に陥った大きな原因のひとつは、財務部が作成した収支見通しが全く役に立たなかったことにあったからです。

毎朝10時に前日のクレジットカードの入金状況を掴むなど、前日の収支を正確に把握できるようにしたのです。

ベスーンは、財務の健全性を保つ秘訣は、何が起こっているかを知ることだと言っています。起こっていることと知ることの時間差が縮まって行くほど、病気になる危険性から遠ざかっていくとのことです。

正確な数字が入ってくると、予測値との差が把握でき、その分析が予測精度を向上させます。財務システムが整い収支状況を把握できれば、計画段階に入りようやく将来のこと考えられるようになるのです。

商品の改善

ベスーンは、通常の企業の改革はマーケティングと財務レベルで終わるが、ここからがコンチネンタル固有の改革であると言っています。

この中で最も大きな改革は、悪評が高かった定時到着率の改善です。このテーマを選んだのは、J. D. パワーの調査で定時運行が顧客満足の22%を占め、それ以外の項目で15%を超えるものが一つもなかったからです。

この改革は、マーケティングや財務のようなトップの判断だけでは実現できません。現場の協力が不可欠です。そのために取った策が、目標達成時に従業員全員にボーナスを支給するというものです。

具体的には、運輸省が毎月発表する定時到着率のランキングで上位5社の中に入れば、65ドルを支給するというものです。65ドルという金額の根拠は、定時に到着できなかった場合の追加出費が500万ドルに達しており、その半分の250万ドルを社員数で割った場合の金額が、1人当たり65ドルであったからというものでした。

誰でも思いつきそうな単純なアイデアですが、それまでのコンチネンタルの経営陣なら絶対にやらないことだったので、社内に新鮮な驚きを与えました。目標を設定しそれを達成すれば、それをきちんと評価し報いる、という新経営陣の姿勢を伝えたのです。

定時到着率を高めるためには、単に清掃や荷物の積み込みスピードを上げるだけでは不十分です。多少の飛行遅れがあった場合でも到着から出発までの間の整備時間を無理なく確保するために、運行スケジュールをオペレーションと整備が協力して作成するなど、全社をあげてのチーム活動が要求されます。

社員をコスト削減の対象として扱わないこと、目標とそれに向けた活動の成果を評価することを伝えたことで、社内の協力体制が整ったのです。

従業員

このようチーム活動を推進するためには、従業員の持つこれまでの経営陣への不信を払拭する必要があります。そのために、ベスーンたちは次のような活動を行いました。

  • マニュアルを燃やす:些細なところまで取り決められ融通性のない就業規定を駐車場で燃やし、従業員も作成メンバーに入れて、新しいガイドラインを作った(例外時には従業員に自分で判断させる)
  • 辻説法:社内の各所に出かけていき、「前進プラン」について説明した。その際、会社の状態を正確に伝え、悪いことについても嘘をつかないことを徹底した。その後、あらゆる部署で年2回、従業員との対話集会を開く(何でも質問できる)オープンハウスを制度化した
  • 対人関係に向いていない中間管理職の排除:余剰な中間管理職を削減する時、対人関係の評価を勤務評定(最高が1、最低が4)に取り入れ、1年間の猶予の後、改善の見られなかった4全員を退職させた。一般社員の批判は、一切なかった
  • フィードバック:会社がよくなっていることを常に伝える

コンチネンタル航空の問題は、コスト削減という間違った戦略を取り続けたことでした。そして、その戦略を転換した際に最大の問題となるのが、安い給料でこき使われ長年虐げられてきたために、すっかりやる気をなくしている現場社員の経営陣への信頼感をどう回復するかでした。

それに対してベスーンらの経営陣は徹底したコミュニケーションと正当な評価でその不信感を取り除いたのです。

JALの再生を「前進計画」の枠組みに当てはめてみると、アメーバ経営の役割が見えてくる

JALの再生について書かれた記事や本を読んでも、個別の施策については書かれていますが、大きな枠組みが示されておらず、全体像を捉えることが難しくなっています。

そこで、コンチネンタル航空の改革が「当たり前のことをやっただけ」という発言をもとに、JALについても同じことが言えるはずだという仮説を立ててみます。そうすれば、JALの改革を「前進計画」のフレームワークで分析でき、両者の比較が可能になるはずです。

JAL再生 という本に書かれている主だった施策をこのフレームワークにまとめてみると、図のようになります。これを見てわかるのは、市場と財務に関するところは、コンチネンタルとJALが良く似ているということです。(違いは、初めて破綻したJALの方が削るところが大きいということだけです。)

同じ業界で破綻寸前まで追い込まれた企業は、似たり寄ったりの問題を抱えているということでしょう。実際、JALの場合、これらの施策は更生計画に示されています。皆が分かっていることを、外部の目で思い切って提示したということでしょう。

ベスーンが通常の企業の改革でもここまではやると言っている意味が、これでわかります。トップダウンだけでも、ここまではできるのです。

問題はこの後で、次の対策が必要です。

  • 商品力を高め、荒療治の後も顧客が価値を認め続けてくれるようにすること
  • 破綻に追い込まれた原因の従業員文化を変えること

JALの場合、商品力にはそこまで問題はありませんでした。(筆者は、勤めていた会社のオフィシャル・エアラインがアメリカン航空だったので、One Worldメンバーとなり国内ではJALに乗り続けていますが、それほど問題は感じていませんでした。)

破綻の原因は、その商品を届ける際の従業員、特に管理職のコスト意識の欠如であり、その裏にあるのは親方日の丸的な官僚主義でした。コンチネンタル航空のコスト削減で虐げられやる気をなくしている現場社員とは、違った問題を抱えていたのです。

したがって、従業員の意識改革もコンチネンタルが実施したコミュニケーションと正当な評価のような簡単なものでは済まなくなります。

破綻前のJALの常識としてJAL再生で指摘されているのは、以下のことです。(内容が重複するなど分析の切り口に疑問が残りますが、そのまま引用します。)

  1. ナショナル・フラッグ・キャリアは潰れない:誰かがなんとかしてくれる
  2. メンテナンス部品はすべて新品でなければならない:装置産業であり安全が優先するので、コストはいくら計上されても仕方がない
  3. コストの必要性を疑わない:巨額の一般管理費はナショナル・フラッグ・キャリアの必要経費として捉えられ、その必要性を疑わない
  4. 事業計画は自分たちが作った計画ではない:事業計画は経営企画本部が作成するが、営業現場は非公式な独自の数値目標を持ち、それを追いかけていた
  5. 他部門は別会社:JALの組織は、大きく分けて、運航、整備、客室、空港、営業、企画の6つの部門に分かれており、部門間の異動はほとんどない。また、他の部門の意思決定に口出ししないのが不文律
  6. 顧客よりもマニュアル:業務・サービスの均質化を図る目的のマニュアルが金科玉条のものとされ、想定外の出来事への対処への障害となる
  7. 経営は経営、現場は現場:経営幹部が現場に顔を出す機会は少なく、現場が経営を意識することもない

これらをまとめると、次のような問題があることがわかります。

  • ナショナル・フラッグ・キャリアという空虚な概念以外には、具体的な共通の価値観が存在しない
  • 部門内の与えられた仕事をする管理者はいるが、バリュー・チェーンを横断したり、組織の上下をつないだりするリーダーが存在しない
  • 収益と費用を対応づけて考えるコスト意識が欠如している

これらは、ナショナル・フラッグ・キャリアという点を除けば、多くの日本企業に共通して見られることです。稲盛氏は、自らの経営経験や盛和塾での会話からそのことを見てとり、次のような施策を実行しました。

  • 官僚主義を打破するリーダーシップ研修:管理者ではなくリーダーとして行動する(現場を知り鼓舞する、部門を超え全体のために率先行動する、マニュアル優先ではなく顧客優先で現場に権限委譲し責任を取る)、ベスーンのコミュニケーションに相当することはこの中で伝えられる
  • 共有すべき価値観を言語化して制定:JALフィロソフィー(一人ひとりがJAL、採算意識を高める、心をひとつにする)
  • 市場に連動した部門別採算制度の導入:計画策定者と執行者の同一化、どんぶり勘定の廃止(全体ではなく路線別など、管理単位の細分化)、経営数値(収入だけでなくコストも含める)の現場での共有、経営数値の実績値の迅速なフィードバック、市場状況を部門間で共有するための社内取引価格

こう見ると、最後の社内取引価格を除けば、どれも常識的な内容だということが分かります。

ここで、社内取引価格を使用した部門別採算制度のことを「アメーバ経営」と呼ぶ人が多いようです。しかし、価値観が共有されたリーダー同士でなければ、社内取引価格の設定時に起こり、この制度はうまく働きません。稲盛氏も自身の著書 アメーバ経営 の中で、「経営には哲学(フィロソフィー)が欠かせない」と語っています。

そいう意味で、上記のリーダーシップ教育、フィロソフィー、部門別採算制度の3点セットをアメーバ経営と捉えるべきでしょう。この常識的な方法が、もともと優秀だったJAL社員の危機感に火をつけ、進むべき道を示したことで、驚異的な改革スピードが実現したのです。

2011年の報告で更生計画にはない400億円が営業利益に上積みされていて、それを持ってアメーバ経営の威力と評価する人が多いですが、それは付録と考えるべきでしょう。アメーバ経営で注目すべきはスピードの方にあります。それを可能にする、社員を一体化させた全員参加経営こそがアメーバ経営の威力なのです。

アメーバ経営の優れているところは、3点セットにあります。多くの改革プロジェクトが失敗するのは、3点のどれかを見過ごすからだと考えれば、改革プロジェクトを支援する際にコンサルタントとて何を考えるべきかが見えてきます。

ただし、アメーバ経営独特の社内取引価格は、市場情報を社内に迅速に伝達する手段として捉えるべきでしょう。自社に向いていないと思われるときは、代替方法を考えれば良いのです。

最後に、コンチネンタルとの違いを総括すると、米国のトップダウン経営ではトップによる外科手術が有効ですが、多くの日本企業に見られるボトムアップで現場社員の自発性に期待する集団経営では、アメーバ経営のような漢方薬的処方の方が有効だということでしょう。

再生施策の比較

まとめ

  • JALが急速に再生したことで、アメーバ経営が注目されているが、なぜアメーバ経営が適切であったのかの理由の説明はあまり見られない。コンサルタントは、アメーバ・マジックの盲信を避けるために、その成功要因を分析しておくべきである
  • 成功要因を分析するために同じ業界のコンチネンタル航空の再生事例とのベンチマーキングを行って見ると、両社のマーケティングおよび財務上の改革施策は、非常に似通っている。これは、破綻寸前の航空会社に対し取るべき策はほぼ自明だということを意味している。その証拠に、JALの再生策は、外部識者が策定した更生計画の中にほとんど書かれている
  • 一過性の再生処置が終わった後も継続的に顧客価値を提供するためには商品の改善が必要であるが、そのためには全社の協力体制が必要であり、そのための従業員文化の改革が不可欠である。この部分は、各社固有の事情を勘案した個別の改革策が必要である
  • コンチネンタル航空の最大の問題は、コスト削減を最優先施策としてとり続けてきたことにある。そのために従業員が疲弊しサービスレベルが低下し、さらに経営陣に不信感を抱いているために改革策にも抵抗することである。これを解決するために、コンチネンタルの新経営陣は徹底したコミュニケーションと、目標実現に対する正当な評価制度の確立を図った
  • JALの問題はコスト意識の欠如であり、その裏には親方日の丸の官僚体質があった。これを打破するために、稲盛改革は管理者でなくリーダーの養成、全員参加の共通の価値観の制定、部門別採算制度の導入を行い、市場を見た全員参加経営を実現した
  • 両者の改革の成功要因は従業員文化の改革にある。コンチネンタルは米国流のトップダウンのコミュニケーションの徹底で外科手術的な改革を成功させた。JALは従業員の自発的参加を促す日本流の漢方的療法で成功した
  • JALのアメーバ経営の成功の秘訣は、リーダーシップの養成、価値観の共有、部門別採算制度の三位一体による社員の意識改革にある。どの一つが欠けても改革は成功しないことを、コンサルタントは肝に命じておくべきである