アンラーニングの勧め


Last Updated on 2021年8月21日 by 時代遅れコンサルタント

長い人生をプロフェッショナルとして生き続けようとしたときに考えておくべきことの一つにアンラーニングがあると思います。
ここでアンラーニングとは、時代や環境の変化に合わなくなった、プロフェッショナルとして身につけた型やスタイルを壊し、新たな型を身につけることを意味します。
とくに、時代や環境の変化が大きなスケールで起こったときに、そのことを意識化できずに苦戦する人が多いようです。このことは、プロの世界以外で起こっていることを見れば、比較的容易に理解できます。例えば、アメリカのラストベルトで製造業が衰退しているにも拘らず、製造業の再生に望みをかけてそこにしがみつき、発展著しいテキサスやアリゾナへの移動を考えても見ない労働者たちが、アンラーニングできない典型的な例です。
私の個人的な経験で起こった、アンラーニングが必要な環境変化も色々とありますが、そのうちの大きなものは次のようなものでした。
①新人の時の約束とは違った部門への配属
②研究管理職としての昇進
③リーマンショックによる定年退職と転職
①は、ある会社の学科の先輩が毎年配属されているOR(オペレーションズ・リサーチ)をやるへの部門で面接を受けたにも拘らず、入社後に官公庁の受託研究をやる部門に配属された時のことです。どうしてもその仕事が好きになれず、かと言ってORではフルタイムの先輩たちにプロとしてとても敵いません。1年間悩んだ挙句、コンピューター・サイエンスで身を立てる決心をし、独学で9年かけて転職しました。
②は、研究所で昇進して自分で研究ができなくなった時のことです。管理職の仕事に興味が持てず、さりとて研究所にそれ以外の仕事はありません。他の諸事情もあり、思い切ってコンサルタントに転身することを決め、社内的なネゴをして回りました。
③は、ある大手企業のクライアント・パートナーとしてそこそこの仕事を取れるようになったときに、晴天の霹靂で起こったことで、数年かけて作った数億円のビジネスが、一瞬で消滅しました。その結果定年後65歳まで残ると言う話は立ち消えになりました。悔しいので別の会社に管理職として再就職して、給料が下がらないことを証明した後、家庭の事情も含めて元のコンサルティングの仕事をしようと、雇われ人生に見切りをつけて独立することを決めました。
これらのいずれも、大きな意味でのアンラーニングをする決心がなければ実現できていなかったことです。アンラーニングを怖がったら、私の人生は今と全く異なったものとなっていたでしょう。
しかし、このようなことは、考えてみれば誰の人生でも起こり得ることだと思います。こういう視点での、それまで身につけたことから身を剥がし新しいことを身につけるアンラーニングの重要性が理解できるかと思います。
50代の皆さん、定年に備えアンラーニングの心構え、重要ですよ。そして、新しい型を身につけるのはそう簡単ではないので、早めの準備が大事ですよ。