クライアントの信頼の成長ステップ(顧問契約へのステップ) 「変革点⑥  市場での顧客獲得: 狩猟民族 → 農耕民族」


Last Updated on 2021年9月23日 by 時代遅れコンサルタント

今回は、前回述べたレインメーカー・システムの中で解説していなかった「契約の実行」の部分について説明します。

この部分に関し、プロフェッショナル・アドバイザーの卵である駆け出しの中小企業診断士の人たちと話していると、真っ先に受ける質問は決まって「どうしたら、顧問契約が取れるか?」です。皆さんは、この質問にどう答えられますか?

私の返答は、「顧問契約は、結果。実績を積み重ね信頼されたら取れることもある。クライアントが決めることであって、こちらが狙って取るものではない」です。ただ、この返答は正しいですが、結果を語っているだけでそこに至る行動指針を何も与えてくれないことは問題ですよね。今日は、顧問契約を得るに「相応しくなる」ために、契約遂行時にどのようなことをどの順で考えておくべきかについて、論じてみましょう。

プロフェッショナル・アドバイザーになろうとしても、いきなりは無理で、最初は誰しも素人です。その素人がクライアントに信頼されるためには、それまでの経験をもとになんらかの専門分野を確立し、その分野でスキルを磨くことでしょう。すなわち、最初の段階は、特定分野(営業支援、など)の専門家として行動すべきです。契約を得るためには、各々の分野で前々回述べたインサイト・マーケティングをする段階です。

その特定分野で契約を獲得し、それなりの成果を出すと、クライアントは「この人は結構使えるな。誠実だし思慮深そうだ。」と思い始めます。そうなると、周辺分野の仕事も頼んでみようかと思い始めます。「営業支援をきちんとしてくれた営業経験者なのだから、その周辺の受発注にも詳しいに違いない。今困っている受発注のリードタイムが長すぎることについて、相談してみよう」となる訳です。さらに、この問題をうまく解決すると、サプライチェーン全体の改善についても相談されるようになる可能性があります。これが第2段階の「周辺分野の専門家」です。

このようにしてクライアントの信頼度が高まると、単に特定あるいは周辺分野の知識あついは問題解決能力を有する存在ではなく、一般的に問題を具体的に把握し、見解を明らかにする能力を有する存在と見做されるようになります。ビジネスの分野で言えば、「どうしたら売り上げがあげられる?」、「どうしたら在庫を削減できる?」と聞かれるようになります。これが第3段階の「価値あるリソース」です。

そして、さらに信頼が高まった次の段階になると、個人的なことも含めてクライアントが困ったときに真っ先に相談される段階になります。これが「信頼されるアドバイザー」の段階で、この段階が顧問契約を得るにふさわしい段階となります。と言っても、信頼されるアドバイザーとしてこの段階の仕事だけをしているわけではなく、普段は第1、第2、第3段階のいずれかの段階のプロとしているのが普通で、クライアントが他の誰にも相談できない心配事を抱えたときにのみ、第4段階として行動する訳です。

以上のようにして、個人的な関係と取り扱うビジネスの範囲を図のように徐々に広げて、プロフェッショナル。アドバイザーとして成長していく訳です。(この図は「プロフェッショナル。アドバイザー」からの引用です。)

 

そして、この図に沿って、以下のような内容のスキルをつけていくことが望まれることになります。

0. クライアントに寄り添って問題解決を支援する方法: クライアントとの関係構築法、適切なあるべき姿設定法、現状分析での落とし穴に気づく法、組織間対立解消法、など

1. インサイト・マーケティング : 前々回説明した内容に従って各自個別開発する

2. ビジネス・プロセスとその改革法: 業務改革、営業改革、設計改革、サプライチェーン改革、購買改革、などの標準的方法を理解

3. 売り上げ向上策: 弱者の戦略、地域特化戦略、回転率ビジネス、コト売り技術、価格戦略、など

4. (中小企業)経営者向け実践経営学: リーダーシップ、意思決定技術、コミュニケーション技術、キャッスベース経営、など

これで全部説明しましたので、次回は全体を振り返ったまとめを行います。