変革点⑤ (続き)注目を集めるトリガーとは(信頼獲得に至る4段階:その2)


Last Updated on 2021年8月30日 by 時代遅れコンサルタント

市場でターゲット顧客に認知されるに足る立ち位置(ポジション)を確立したら、次にするのは、実際に顧客の注目を惹き自分の立ち位置を認識してもらう工夫をすることです。

前回述べたように、情報過多の市場で顧客は疲れ切っており、次々と降り注がれる情報に飽き飽きしています。その流れの中でターゲット市場の顧客に、「おやっ?他の情報とは違うな、これは調べても良いかな?」と、自分のポジションに注目してもらえるようにするのです。そうなれば、ポジションがユニークであれば、顧客の限られた時間を優先的に振り向けてもらえます。

以前にも述べましたが、ここでしっかりと認識すべきは、市場では顧客に注目してもらうのはそう簡単ではないということです。膨大な情報にさらされて、我々の注意力は到底全ての情報に行き渡らなくなっています。手元のデータが増えれば増えるほど、それを消費するための注意力は細切れになってしまいます。その結果「注目」は希少資源になっているのです。

誰しも知っているように、「希少資源」の獲得にはそれなりの配慮と工夫が必要です。工夫なしに自分の売りをいくら叫んだところで誰も振り向いてはくれない、と覚悟すべきなのです。

繰り返すと、市場に出て仕事を得ようとするのなら、注目のメカニズムと注目される方法を学んでおくべきなのです。と言っても、それは決して難しいことではありません。

企業の勤め人の多くはあまり気付いていないようですが、この方法は実は古くから知られていて、それをうまく活用して生業を立てている人たちは大勢いるのです。代表的なのは、スーパーなどで切れ味の良い包丁を売っている実演販売の人たちです。他にも、セールススレターの書き方や集客セミナーのやり方を教えている人たちの中の成功者も、この方法を心得ています。

人を惹きつけるドラマの脚本の多くも、この方法に従って書かれています。ただ、それらのやり方が、実演者や教える人の個別ノウハウとなっていて一般化されていないので、普通の人が応用しにくくなっているだけだと理解した方が良いのです。

実は、ベン・パー著「ATTENNTION “注目“で人を動かす7つの新戦略」の枠組みに従えば、それら個別ノウハウを一般化して説明でき、それらを一般人が市場社会で仕事を求める方法に応用できることが分かっています。

この本には、注目を得る達人たちは、人間の根本的な性質に訴えることで注目に関わる脳内の反応システムを動かす、以下の7つのトリガーを使っていることが分かったと述べています。

  1. 自動トリガー: 色やシンボルや音などの感覚的刺激を与え、無意識的な反応を引き起こす
  2. フレーミング・トリガー: 相手の世界観にしたがうか、それを覆すことによって注目される
  3. 破壊トリガー: 人々の期待をあえて裏切り、注目するモノを変えさせる
  4. 報酬トリガー: 内外からの報酬で人々のモチベーションを向上させる
  5. 評判トリガー: 専門家、権威者、大衆の評価を用いて信頼性を高め、相手を魅了する
  6. ミステリー・トリガー: 謎や不確実性やサスペンスを作り出して、最後まで関心をつなぎとめる
  7. 承認トリガー: 自分を承認し、理解してくれる人には注目するモノだ。そうして深い結びつきを育てる

長くなるので、次回は2, 3, 4について説明し、それらと既存テクニックの関係を示すことにしましょう。