過疎地ビジネスに学ぶノンカスタマー総取りの地域一番店戦略


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中小小売業の売上向上の悩みを解決する地域一番店戦略とは

中小小売業が売上向上を図る際の一番の悩みは、次の公式の顧客数を増やす方法がわからないことです。大手の量販店などにお客を持って行かれているからです。

売上 = 客数 × 客単価

= 顧客数 × 来店頻度 × 客単価

しかし、中には大手の圧力を物ともせず客数を伸ばし売り上げを増やしている企業があります。その代表選手が、栃木県のサトーカメラです。

栃木県内のカメラ販売シェアが17年連続で首位、デジカメ市場が縮小する中、13年連続で粗利率を伸ばし、ついには44%に達している、というすごさです。その好業績の背後にあるのが、常識破りの長時間接客です。

栃木最強!サトーカメラの不思議な経営という記事は、次のような書き出しで始まっています。

「普通の繁盛店。それが店に入っての第一印象だ。手書きのPOP(店頭販促)が至る所に掲げられ、柱やテーブルなどもマスキングテープやシールでにぎやかに装飾。店内には、子連れ客のために遊び場も設置され、親の買い物を待つ子供たちの歓声が響く。が、よく店内を見回すと、不思議な光景が目に飛び込んでくる。ずらりとソファが並び、多くの顧客が店員と横に並んで座り、延々話し込んでいるのだ。」

この長時間の接客で、従来カメラに興味がなかった層(「ノンカスタマー」と呼んでいます)が何らかのきっかけで来店した折に、カメラや写真の面白さを教えているのです。写真に詳しい層は、カメラや撮影スポットを熟知しているので大手との奪い合いになり、同社には分が悪いからです。

同社の収益源は、このようにして打ち解けた顧客からの写真プリントです。初心者は家庭内での印刷設備も整っていないし、プリントの仕方もわかっていません。ここでも、1枚1枚相談しながらプリントすべき写真を一緒に選んでゆき、それを通して顧客の好みを把握していきます。さらに、その好みに合ったマイナーな製品を売っていくのです。

同社の専務である佐藤勝人氏は、断トツに勝つ人の地域一番化戦略という著書の中で、このようにして客数を伸ばし地域一番店になる戦略を、以下のようにまとめています。

  • ニッチ商品で広域の商圏を狙うのではなく、小商圏でマス商品のマイナーブランド(ボリュームゾーンより少し品質が上であまり知られておらず差別化できるものをマス商品と同等の価格にする)を売り、その商圏内のすべての顧客を取り込むことを考える(サトーカメラの場合は、額縁や写真プリントサービス)
  • すべての顧客を取り込むために、ノンカスタマーを開発する(「思い出をキレイに一生残すために」というキャッチコピーで、写真は撮ったもののプリントを全くしていない層を狙う)
  • ノンカスタマーに来店のきっかけをつくるために、狭い商圏内で即効性のあるチラシを活用する

サトーカメラの一見非効率な長時間接客は、この戦略を有機的に結合させノンカスタマーの総取りを目指すためのものだったのです。

非常にうまい戦略で参考となること大ですが、一点注意が必要でしょう。マイナーブランドは、必ずしもモノである必要はありません。要は、競合する大手と差別化でき、その価値を消費者に容易に認識させられるものが必要だということです。(これ以上の地域一番店戦略の詳細については、同書を読んでください。)

さて、この戦略をサービス中心の顧客価値の観点から見直すとどうなるでしょうか?それは、次のように実は常識的なものであることが分かります。

  • 従来提供されているより価格帯効果の高い商品・サービスを作り出す(マイナーブランド)
  • 従来の商品・サービスでは自分の用事が満足されないので、商品・サービスの購入が発生していない顧客(ノンカスタマー)に、その商品。サービスを提供し総取りを狙う

今週と来週はこの戦略をサービス中心の観点から、具体的な業界環境に当てはめるとどうなるかを考えてみます。

まずは、過疎地のビジネスで成功する要因についてです。

過疎地一番店ビジネスの成功要因

ご承知の通り、日本では少子高齢化が大きな問題となっています。それに加えて、付加価値生産性の低い地方では、ただでさえ減っていく若者の域外流出が止まらず過疎化が加速しています。

これに対する行政の対応は、遅れに遅れています。それどころか、行政の役割は百年の計にあるとして、高度成長期に立てたインフラ整備計画を未だに墨守しています。

人口が減少しつつある地方都市の主要部の郊外に30年前に計画したバイパス道路が開通すると、そこに大型量販店が出店します。その結果、ローカル線駅前の地方スーパーが廃業し、生活インフラが破壊され買い物難民が発生する、などの問題が多発しています。

ところが、このような顧客が少ないという過酷な状況の中でも、これまでの常識を超えた小売業の成功事例が出現してきています。その成功要因は、中小企業一般の売上向上策の参考となると考えられますので、詳しく分析してみましょう。

過疎地では、そもそも十分な商品・サービスが提供されていません。つまりマス商品は車などに乗って出かける遠隔地に存在する商品・サービスであり、地域全体がノンカスタマーです。

したがって、遠隔地に存在するのと同等の商品・サービスを過疎地で提供することそのものがマイナーブランドを提供するのと同じことになり、それだけで地域の需要を総取りできる可能性は高いのです。(競争がないので客数の確保そのものは容易です。)

やはり、地域一番店戦略で考える顧客数確保そのものは常識的なものなのです。

それにもかかわらず、過疎地に近代的な小売業が進出できていません。その理由は、地域の需要が小さいことにあります。

単に顧客数を確保しただけでは十分な売り上げを上げられる保証がないのです。つまり、来店頻度、客単価の向上まで実現する必要があるのですが、これが難しいのです。

この問題をクリアした成功事例として、A-Z、セイコーマート、とくし丸があります。これらがどのような工夫をしてきているかを、検討して見ましょう。

過疎地の巨大スーパーA-Z

A-Zは、鹿児島県の過疎地に3店出店している24時間365日営業のスーパーセンターです。

1996年に最初に開店したA-Zあくねは、当時の人口27,000人の阿久根市に、幅200メートル、奥行き100メートルという巨大なワンフロアの建物、駐車台数1,500台、食品、衣料品、家電など生活必需品全てを取り揃えた商品点数23万点という、地域の想像を絶する巨大小売店です。

この店は、創業者の牧尾英二氏の田舎の生活を都会並みにしたいという想いから生まれました。

牧尾氏は、実弟に経営を勧めたホームセンターが倒産寸前になったので、その責任を取り立て直すために故郷に戻りました。その時驚いたのが、田舎の方が都会よりも物価が高く生活費がかかるということでした。

阿久根市の数少ないスーパーに並ぶ商品の品揃えは少ない上に古く、棚の商品はほとんどが定価に近い値段でした。ワンストップ・ショッピングができるような店やコンビニもなく、ほとんどの店が夕方6時ごろに閉店していました。

ある店で、棚の上の商品を見せてくれと頼んだところ、買うのなら降ろして見せると言われたほど、売り手の都合で商売がされていたのです。

このような状態を打破したいと、周囲の猛反対を押し切り、次のような狙いでスーパーセンターを開店しました。

  • 田舎だからこそなんでも揃う店が必要
  • 田舎だからこそ価格は安く
  • 田舎だからこそいつでも開いている便利な店を
  • 田舎だからこそ賑やかで楽しい店に
  • 利益第二主義で、内向きでなく外向きに

結果的にこの狙いが大当たりし、文句のない繁盛店ができた訳です。この成功の理由を上述の過疎地地域一番店成功の公式に当てはめて分析してみると次のようになります。

まず、上述のように過疎地に今までにない生活必需品の巨大なセンターを作り、地域住民全体を顧客としました。このことで、既にマイナーブランドとノンカスタマーの条件はクリアしています。

残る問題は来店頻度、客単価向上を実現し、十分な売り上げを確保することです。このために、A-Zは次のような施策をとっています。

  • 頻繁に何度も買い物に来られるように、生活必需品中心の店とする。売れる売れないに関係なくフルラインの品揃えとし、それを収容できる広大な店舗を用意する。(わらじ、ふんどし、梅を干す大きなザル、何種類もの大きさの漬物の樽、夏にストーブ(夜釣り用)なども置く。)これを可能とするため、商品部やバイヤーを置かず、売り場担当者が仕入れをする(顧客の要望があれば、何でもすぐ仕入れる)
  • 生活サイクルに合わせタイミングよく商品を提供できるように、年中無休24時間営業とする(値の張る買い物は決定権を持つ家長が帰宅後の夜になされる、深夜に漁に出る前の漁師が買い物に来る、早朝に高齢者が散歩帰りに寄る、など)
  • 所得が低い地域なのでエブリデイ・ロー・プライスとする
  • まとめ買いを可能にするために大型のショッピングカートを用意し、通路を広くとる
  • どんな仕事よりもレジを優先

そして、このような便益を提供しても利益が出るように、次のようなローコスト・オペレーションを行っています。

  • 土地の安さを生かした平屋建て(死に筋を置いても問題がない)
  • 同時並行工事による建設費削減
  • 南国の特性を生かし暖房廃止
  • 従業員一人当たりの売り場面積拡大
  • エブリデイ・ロー・プライスなのでチラシを廃止(販促費は業界平均の20分の1)

その結果、粗利益率18-20%(通常のホームセンターやスーパーは24-32%)、販管費16%以下で、経常利益率2%を確保しているのです。

A-Zの成功要因は、常識に逆らうことです。通常のスーパーセンターの本部による効率的経営を否定し、死に筋も置く、仕入れは現場に任せる、などの策がリピート率を高め、それが過疎地では効果を発揮しているのです。

A-Zよりも大きなマーケットを対象として、同じような地域一番店戦略を取り成功しているのが、中国地方西部および九州北部でGMS(総合スーパー)を展開しているゆめタウンです。

ダイエーの破綻に代表されるように、ここ20年間GMSの不振が続いています。その中にあってゆめタウンを経営するイズミは成長を続け、営業利益率も4.7%と、イオンの0.5%、イトーヨーカ堂の0.2%を大きく上回る高収益を挙げています。

このイズミの快進撃を支えているのが、地方での地域一番店戦略です。そこそこ大きなマーケットに徹底した初期投資で巨大店舗を作り、アミューズメントなども充実させています。

対象がそこそこ大きなマーケットですから、A-Zのように何から何まで品揃えをする必要はありません。地方でワンストップ・ショッピングを求めているノンカスタマーを対象とし、巨大店舗化により競合が入り込めないようにすれば、その地域の需要が総取りできるのです。

このような違いはあるものの、本質的にはA-Zとイズミは同種の地域一番店戦略をとっておることになります。

所得と人口密度が低い北海道のコンビニ、セイコーマート

広大な面積を持つ北海道ですが、実は直感に反して全国有数のコンビニ激戦区となっています。人口あたりの店数で見ると、東京についで店が多いのです。

そのような激しい競争下で、セブンイレブンを抑え1159店(2014年4月末時点)を出店し地域一番となっているのが、地元のコンビニ・チェーンのセイコーマートです。

北海道は所得が低く人口密度も低いという、コンビニにとっては最悪の環境ですが、地元のセイコーマートはその中で成功するしか生き延びる道がありません。そのための工夫が、結果的にセブンイレブンなどへの差別化策になっているのです。

セイコーマートの「マイナーブランド」に相当する商品は、「北海道価格の食品」です。つまり、北海道の所得に合わせた「安さ」と北海道の豊かな食材を使用したPB商品の提供です。

この実現のために「ファームトゥテーブル」(農場から食卓まで)というビジネスモデルを取っています。PBを作る食品工場や物流機能を直営化し、さらに後継者難の店舗もどんどん直営に切り替えています。

さらに、直営の農場を経営し漁港での直接の仕入れ権も持つなど、ユニクロ以上の製造小売業(SPA)となっています。このことにより、中間マージンや材料の無駄を徹底的に排除した安値の提供を実現するとともに、戦略商品をすべての店舗に並べることを可能にしているのです。(フランチャイズの場合、オーナーは売れ残り品の廃棄ロスを恐れ、思い切った仕入れを避ける傾向にあります。)

この結果、札幌などの大都市でこそセブンイレブンなどと拮抗していますが、周辺部に行くとセイコーマートが圧倒的な存在となっています。セイコーマートの場合は、周辺部の住民がノンカスタマーなのです。

その強さを裏付けるのが、テレビでも放送された2014年12月の初山別村というところへの出店です。村の北部の人口900人の集落に店が一つも無くなりました。それに危機感を抱いた村長からの依頼を受けての出店でした。

通常であればコンビニは5000人くらいの支持人口が欲しいそうですが、蓋を開けてみると、何と黒字化できそうな見込みがついたのです。

国道沿いの村有地を年間3万円で借りているので、償却が進めば日商30万円で黒字になるそうです。そして実態は、毎日900人のうちの300人程度が来店し、その客単価が1000円くらいなので、日商が32-33万円になることが分かったというのです。

この成功要因は、言うまでもなく住民のリピート率にあります。そしてリピートを可能にしているのが利便性と潜在需要の顕在化です。

利便性については、それまで車で20−30分かけて買い物をしていた不便さが解消されたことです。そして、潜在需要を顕在化させたのは、惣菜の存在です。セイコーマートは、単価100円で多種多様な惣菜を提供しているので、安くて便利で飽きがこないのです。

通常のコンビニの売れ筋に絞った利益率の高い商品だけを提供するやり方は、人口の多い都会でしか通用しません。過疎地では、常識に逆らって、多様な商品を自社のリスクで提供するというやり方が必要なのです。

A-Zと同様に、常識と反対のことをして地域住民を繰り返し来店させる強みが過疎地での成功の源だということが分かります。

買い物難民を助ける移動スーパー、とくし丸

上述のように、地方では地元の小型スーパーがどんどん潰れています。その結果、それまでスーパーの小商圏に依存していた地域住民の中から買い物難民が発生しています。何らかの理由で長距離の移動が困難な高齢者などです。

この問題を解決する試みに、徳島県で始まった軽トラックによる移動スーパー「とくし丸」があります。このビジネスモデルが成功して新宿区などにも展開されていますので、その成功要因を分析してみましょう。

最初に理解すべきことは、とくし丸は僻地を対象としているのではない、ということです。とくし丸の初期の成功地域である徳島県阿南市那賀川町中島地区をGoogle Earthでみてみると、JR阿波中島駅東部の那賀川に面している地域で、結構住宅があることが分かります。

東側に阿南道路と呼ばれる国道55号線のバイパスが開通し地元のスーパーが潰れてしまったために、買い物難民が発生している地域なのです。僻地とは異なり、住民は地元スーパーが存在した時の利便性の記憶を持っています。

すなわち、とくし丸の場合のマイナーナーブランドは昔の買い物と同じ利便性であり、買い物難民はその価値を潜在的に知っているわけです。

ただ、A-Zやセイコーマートとは違って、ノンカスタマーを発掘して昔の利便性が蘇ることを理解してもらう(マイナーブランドの価値を認知してもらう)という作業が必要となります。それができれば、地域一番店になれるということです。

スーパーの商圏は徒歩300-500メートル程度とされていますので、ノンカスタマーの発掘はその地域を歩き回ることによって行います。その時の課題は、対象者(高齢者など)のいる住宅の見極めと、提供価値(マイナーブランド)を信頼してもらうことです。

住宅の見極めスキルは、経験を積むと獲得できるようになります。しかし、田舎の人は閉鎖的なので、信頼の獲得は容易でないそうです。

最近は「とくし丸」のブランドが浸透してきたので、少しは話を聞いてもらえるようになってきたようですが、当初はずいぶん警戒されたようです。一番効果的なのは、移動販売に当たる販売パートナーが地元の出身者でその人が勧誘に当たることのようですが、その人の地元に十分な需要があるとは限らず、なかなか難しいようです。

このような苦労を通して確立されたとくし丸のビジネスモデルは、次のようなものです。

  • 商売の形態は、地元スーパーからの委託販売とする(スーパーからの仕入れとすると売れ残った時のロスの負担が大きく、品揃えを豊富にできない。スーパーに戻る時間を早めにして、ロス分はスーパーで売り切る)
  • さらに商売として成立させるために、価格は一品ごとにスーパーの価格に10円上乗せする(コンビニと同じか少々安い価格)
  • トラック1台あたりの顧客数150-200人
  • その顧客を週2回訪問する(週1回だと顧客は買いだめする必要があるので、他の買い物チャネルも併用しとりこぼしが出る。週3回だと頻繁すぎて買う物がなくなり、これまた売り上げが落ちる)
  • 顧客を3ルートに分け、1日に50人程度訪問する(最大限に効率を高めても、朝お店を出発してから帰るまでに、停車できるのは30-40カ所)
  • 客単価は、だいたい2000円くらい
  • 以上で、売り上げは1ヶ月で200万円くらいになる。販売パートナーの販売手数料は月40万円近くになり、トラック代300万円が比較的短期で回収できる(販売パートナーは個人事業主)

顧客が開拓された後のこのビジネスの成功の鍵は、いうまでもなく客単価の維持です。そのためには、次の2通りの販売担当者の顧客関係維持能力が不可欠です。

一つ目は、顧客の好みに合わせて品揃えを変えていく能力です。食べ物には人それぞれの好みがあります。特に高齢者は長年馴染んだ好みの変更に抵抗します。固定客相手の商売ですから、その好みに合わせた商品の選択をすべきなのです。

二つ目は、顧客の販売パートナーその人への信頼感の維持です。孤立しがちな顧客へのケアができ、ちょっとした不満がもとで元の不便な生活に引き込もらないようにする人柄が重要です。積んでいなかったお菓子の最中が欲しいと言われれば、午前のルートが終わってスーパーに戻った際に積み込み、ルートを変更してでも届ける、などの気配りが求められるのです。

少人数の固定客相手の商売では、購入頻度や客単価の維持に接客担当者個人の顧客関係維持能力が大きな影響を与えるのです。

過疎地の極小商圏ビジネスでは、常識を超えた手間のかけ方(しらみつぶしのノンカスタマー発掘と一人一人の顧客に合わせた丁寧な接客)が成功のカギとなるのです。

過疎地ビジネスの成功要因

まとめ

  • 中小企業が客数を伸ばす方法を考えるとき、地域一番店戦略のモデル(マイナーブランドとノンカスタマー)が参考になる
  • これを過疎地ビジネスに当てはめてみると、次のようなことがわかる
    • マイナーブランドは、近隣の地域中心部で提供されている商品・サービス、あるいは昔その地域で提供されていたのと同等の商品・サービスであり、利便性が差別化要因となる
    • ノンカスタマーは地域全体、あるいは昔提供されていた商品・サービスの消失により著しく不便を被った人たちである
  • このように整理してみると、過疎地のビジネスで客数を伸ばす方法は自明であることがわかる
  • それにも拘らず過疎地への近代的小売業の進出事例が少ないのは、売上の構成要因である購入頻度や客単価の確保が難しいからである
  • この問題を克服して過疎地で成功しているビジネスを見ると、その成功要因は近代小売業の常識である効率的な管理を無視していることにあることがわかる。具体的には、以下のことを行なっている
    • 死に筋を恐れず、顧客が望むものを何でも仕入れる(顧客の要望には、どんな小さなものでも対応する)
    • 材料の仕入れから店舗運営までを直営化するという垂直統合のリスクを取り、戦略的な品揃えを実現している(顧客の要望を実現するためには、常識とされる自分の守備範囲にとらわれない)
    • 極小商圏に徹し、手間暇を惜しまず顧客関係維持をする
  • これらの経験は、過疎地という過酷な環境で考え抜かれたものなので、中小企業が通常の地域で地域一番店戦略を採用する場合にも大いに参考になる
  • すなわち、地方のノンカスタマーを掘り起こし、その人たちが求めている利便性を提供し、地域一番店化で競合を排除できれば、一見不振なマーケットでも高い営業利益率を上げることができる