注目を集める集客セミナーの三部構造(フレーミング、破壊、報酬)「変革点⑤ (続き)(信頼獲得に至る4段階:その2)」


Last Updated on 2021年8月31日 by 時代遅れコンサルタント

市場で注目を集めるトリガーとして、フレーミング、破壊、報酬の3つが有効であることを説明したので、今日はそれらが世の中でどのように使われているのか、実例と関連づけて説明します。

最初の例は、遠藤晃著、「“たった5人集めれば契約が取れる”顧客獲得セミナー成功法」という本に、書かれている内容です。この本には、集客セミナーのコンテンツは次の3段階で作れと書いてあります。

  1. プレッジ(確認)
    • 参加者が持っている固定観念を、質問することによって表出させる
    • 「あるべき姿」を参加者自らに表明させる段階
  2. ターン(展開)
    • 参加者が表明した「あるべき姿」(固定観念)を破壊して、「現状の姿」(現実)との大きなギャップに気づかせるステップ
  3. プレステージ(偉業)
    • さらに大きなインパクトを与え、強い関心や興味を与えることで、さらに強い問題意識を持たせる段階

そしてその具体例として以下が示されています。

  1. プレッジ(確認)
    • 講師: 「相続で揉める家庭って、どんな家庭だと思いますか?」
    • 参加者: 「お金持ちでしょう」
    • 講師: 「そうですよね」
  2. ターン(展開)
    • 講師: 「では、相続税を払う家庭は、100件のうち何件くらいだと思いますか?」
    • 参加者: 「うーん、30件くらいかな」
    • 講師: 「実は、国税庁によると、4件しかないんですよ」
    • 参加者: 「えっ、意外と少ないんですね」
  3. プレステージ(偉業)
    • 講師: 「それでは、相続の時に税務署ではなくて裁判所の世話になっているのは何件くらいだと思いますか?」
    • 参加者: 「相続税を払うより少ないから2件くらいじゃないですか」
    • 講師: 「みなさんそう仰るのですが、実は司法統計年報によれば14件もあるんです」
    • 参加者: 「えー!相続税を払わないような普通の家庭でも相続で揉める可能性があるということですね」

どうでしょうか?報酬のところがちょっとニュアンスが違いますが、フレーミング、破壊、のところはぴったりですよね?(追加ですが、この本にも、ドーパミンを出させるために「ノウハウは出し惜しみするな」と書いてあります。ということで、私もここで知識を出し惜しみせずに書いています(笑))

さらに、フィリップ・D・ブロートン、「なぜはハーバード・ビジネススクールでは営業を教えないのか」という本には、良いセールスにはストーリーが必要で、良いストーリーは次の3段階から成ると書かれています。

  1. 奇抜な行動で聞き手の関心を引きつける段階
    • 聞き手は、当たり前だと思っていたことがそうで亡くなり、目の前に問題が現れる
    • 聞き手は危機意識を抱き、どうしても答えが欲しくなる
  2. 問題を解決しようとしてもがいたり、敵(人間的、感情的、現実的な障害)に勝つために努力したりする段階
  3. 解決法を提案し、聴衆を行動に駆り立てる段階

これは、フレーミング、破壊、報酬とぴったり合っています。そしてこの本では、これはアリストテレスが「詩学」に描いた悲劇の3段階と同じ(事件が起き、悩みもがき、最後にそれが解決される)であると付け加えています。ギリシア悲劇だけでなく、能の序破急も同じ構造です。

実際この3段階構造は非常に強力で、私のゼミ生がセミナーの概略構造を作って人に話しただけで、集客セミナー実施にまで至っていないのに、「鉄骨部品メーカーの下請け脱出法」や「食品メーカーの食のセレクトショップへの営業方法」などのコンサルティングが受注できています。

(やってみて分かるのは破壊トリガーを見つけることの難しさですが、その原因はフレーミングで現状をどう切り取るかにあります。ある程度天邪鬼なものの見方をしないと上手く見つけられないのですが、これはコンサルティングの原因分析と全く同質なものなので、それなりの修練が必要です。)

以上をまとめると、市場で注目を得ようとするなら、フレーミング、破壊、報酬の3つのトリガーを利用して自分の提供価値を示す次のコンテンツを準備がすべきだということになります。

  1. ターゲット市場の顧客の共通の関心事を確認し、状況設定する
  2. 相手の想定と異なる見解を示して、変革の必要性を感じさせる
  3. 変革後の世界がより良いものであり、かつそれが実現可能であることを理解させる

ここまでで、3つのトリガーを心得ていれば、市場での希少資源である「注目」を獲得することができることを説明しました。次はもう一つの希少資源の「信頼」の獲得方法について説明します。